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【本】Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール


問い1:アメリカがどうしてICT産業で、世界的競争力のある
    新興企業を続々と輩出できるのか?
問い2:ベンチャー企業のファウンダー(創業者)たちと、
    ベンチャーファンド、そして投資家たちの素顔とはどんなものか?

それらの問いは表裏一体であり、
そこを結びつけるのがシリコンバレーというエリアにある
Yコンビネーターという「学校」の活動だったのだ、ということを
本書を読んで、なんとなく理解できたような気がする。

内容については優れた記事がいろいろあるので、ここでは省く。
など。

個人的に思ったこととしては、
「スモールビジネス」と「スタートアップ」の違いを改めて考えたという点でも
面白かった。
一番の違いは、そのビジネスが爆発的にスケールする可能性の有無である。
それを可能にするのは、ネットワークを通じて迅速に広まりうるサービスという
ビジネスの性質というところであり、
だからコードを書いて、ソフトウェアで勝負するICTベンチャーが一番フィットする、という話。

なんでもかんでもパソコンに向かっていればICTベンチャーかというと、それは必要条件で
あって十分条件じゃないみたいなことは、認識として大事だなと。

また、サービスそのものはネットワークでアメリカ中、あるいは世界の人や企業を
ユーザとするような、スケールの「でかい」ものを狙いながら、
それを生み出すプロセスは、ポール・グレアムらの投資家兼アドバイザーとの直接対話に基づき、
そして3ヶ月間のシリコンバレーの一角の不便な土地の缶詰になる状態が肝である、という
こともまた面白い。
生身の対話と、厳しい「虎の穴」的な修行が大事なのである。

そして、スタートアップな生き方を当たり前だととらえる
シリコンバレーの空気と人のネットワークという環境こそが、
ベンチャーが次々生まれるうえで、一番大事なのだろうなと思った。
グレアムが言うように、環境がそうなら、人はそうなれるのである。

スタートアップに適した人生の条件…みたいな話もまた面白い。
25歳くらいで、家族を養うなどの制約があるほどのフェーズにはなく、
また子供すぎるわけでもない、というような人が多いということ。
もちろん、子持ちのファウンダーもいれば、20歳くらいという人もいるので、
そのあたりは多様化しているようだが、
やはり典型としては、すべての時間を顧客理解とサービス開発に投入できる、
そして必ず2人以上の気心知れたチーム、であること、となるみたいだ。

私自身、とてもこのスタートアップ創業者という厳しい生き方は選べないなと
思ってしまったけれど、
でもそこで得られる「リーン・スタートアップ」的な強烈な学びの体験には
心惹かれる点がないといったらそうでもない。

あとそうね、日本でシリコンバレーを作るには、みたいな議論がたまにあるが、
そんなことを思うくらいなら、有望そうな若者をシリコンバレーにがんがん
送り込めるような後押しの仕組みでも作ったほうがいいなと思った。
本当に「競争力あるスタートアップ」を目指して鍛える修行兼実戦の場として、
やっぱりシリコンバレー以外の場所では、才能ある人間の時間とエネルギーの
損耗が大きくて、結果的にモノにならない確率が高そうだなと思ったりする。

///
Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール [単行本]
ランダル・ストロス (著),
The Launch Pad: Inside Y Combinator Paperback
by Randall Stross (Author) 
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