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【本】リーダーシップは教えられる



リーダーシップということばが
苦手なのは日本人だけ、アメリカ人はよくわかっているんだよ!

…みたいな議論をたまに見かける気がするのだが、
本書を読むと、それも違うなと思う。

本書は、ハーバード・ケネディ・スクールで
リーダーシップの授業を受け持つ
ロナルド・ハイフェッツのクラスで起きていること、
ならびそこで使われるケース・イン・ポイントの教育方法の要諦を
著者の見方で丹念かつ分かりやすく表現したものである。

ケネディ・スクールの学生たちというのは、
軍や企業、公的機関などで優れた実績を上げてきた、
気鋭の人物たち、それこそアメリカのリーダー層と言って間違いない
人たちなわけだが、
そのリーダーたちが、ハイフェッツのクラスでは、
悩み苦しみ、一皮むけるまであがくことになる。

そして、今まで持っていたリーダーシップ概念とは異なる
リーダー感というものを身につけていくのである。

クラスでは重要な場面がたくさんあるが、私が印象的なのは
「リーダーシップとオーソリティの区別」
である。
権威の力で他人に命令することを、リーダーシップと思い込んで
しまっている人は多い
(これが私が冒頭で触れた「アメリカ的間違いリーダーシップ」の意味)。
ここに気づかせるのが、ハイフェッツの手腕であり、
大きなショックを受講生に与えることができる。

また
「自分の成功・失敗体験にまさる教材はない」
ということも印象的だ。
クラスでは、ハイフェッツとTAたちの巧みな連携で、
受講生を不安や葛藤を感じさせるように持っていく。
それもまた、体験を生み出すことの一環なわけだが
(歌のクラスという、なんともびっくりな回もある!)
それでも最終的には、仕事を含めた自身の経験を内省し、気づき、
自分を変えていくことの意味を知ることに繋げるようになっている。

あとは私が個人的に役立ったのは
「自己と役割の混同を起こすとリーダーシップの脅威となる」
という話。
役割を自己から切り離すことで落ち着いて、批判を受けても落ち着いて解釈、分析できる。
これは膝を打った。
確かに、上司や顧客から批判を受けるときに、自分の人間性が
責められているように思い込んでしまうと憂鬱になり、内容を考えるどころの
話ではなくなってしまうが、
よく考えれば、相手が求めているのは役割に対する注文であって、
私という自己そのものとはなんの関係もないのである。

これは、社会の中で活動するうえで、非常に私を助け、生産性を上げてくれる
思考の技法だと思った。


ハイフェッツ自身は、リーダーシップを適切に発揮して学び続ける人材を育てることで
社会に貢献しようとしている。
彼自身が、まさにリーダーシップとは何かを、探求し続けているのだと思う。

http://www.amazon.com/dp/B001GIPS02
Leadership Can Be Taught: A Bold Approach for a Complex World
Sharon Daloz Parks (Author) 
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