忍者ブログ

科学の力ってすげー?

MENU

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【本】なぜあの人はあやまちを認めないのか



justify: 正当化する
我々はどうしてその心理に陥ってしまい、そしてその結果何が起こるのか。
そこから抜け出す術はあるのか。
豊富な事例と心理学の知見に基づき、わかりやすく、
また厳しさと温かさをもって、生きるうえで大いに役立つ気づきを
与えてくれる一冊だ。

正当化の心理で一番恐ろしいというか、ある意味ですばらしい仕組みは
「純粋な善意の意識」でもって、現実をねじ曲げるところである。
心地よい正当化のハンモックの中に回帰していくことは、
真実を認め、ばつの悪い思いをするよりも、その場としては遥かに気持ちがいい。
だが、それを続けていくと、手が付けられないほどに自己弁護のピラミッドを
誤った方向に降りてしまい、ひどい違法行為や、人として許されざる行為をしてしまう。

日本の畑村洋太郎さんの提唱する「失敗学」にも大いに通じる話だと思った。
失敗を叱責する風土のある組織では、構成員は失敗を隠すようになり、
それが最終的にとんでもない悪い事態を招いていく。
それを防止するには、失敗を認め、オープンにし、知見として共有していくことを
奨励する風土を持つ組織にしていかねばならない。
失敗を認めることを、悪や恥、罪といった負の要素で処理してしまうか、
そうならないようにするか。
組織も、結局個人の感情をベースに動いているものなので、
結局は個人の「率直に失敗や過ちを認め、謝り、それが受け入れられる」という
思考・行動の原理・原則を伸ばすということが肝要だろうと思う。

また、風呂敷を広げて考えると、
世界的な平和の希求、のようなテーマについても、たとえば
「この宗教を皆が信じるようになれば…」的な考え方は、
正当化のプロセスに同じである。
違う宗教や文化を持つ人には、自分たちの宗教や文化の押しつけなど
何にもならないことをまず認めなくてはいけない。
しかし話を聞き、理解し合えるポイントがないのかを探していく共同的な
道を歩もうとすることで、開けてくるものがあるだろうと思う。
違いを認め、相手の心情を害することがあれば率直に詫び、対話を続けていく。
時間がかかることだけれど、結局それしかないのではないだろうか。

---------------------------------------------------------------------
なぜあの人はあやまちを認めないのか [単行本]
エリオット・アロンソン (著), キャロル・タヴリス (著), 戸根 由紀恵 (翻訳) 
Mistakes Were Made (But Not by Me): Why We Justify Foolish Beliefs, Bad Decisions, and Hurtful Acts Paperback
by Carol Tavris  (Author), Elliot Aronson  (Author) 
PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

× CLOSE

プロフィール

HN:
Masaki
性別:
非公開

P R

× CLOSE

Copyright © 科学の力ってすげー? : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]