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【本】ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方



ガンダム世代のコンサルタントによる
「ファーストガンダム」からビジネスの学びを
引き出してまとめたライトなビジネス書。

アニメのシーンを満載した表紙からすると、
適当な話が多いのかな、など思ってしまうのだが(すいません)
中身は皮相的な話に留まらず、
刺激的で面白い切り口が随所にちりばめられている。

一番なるほどと思ったのは4章(Side 4)の
「赤い彗星のジレンマ」の話。
なぜジオン軍で傑出した戦功を挙げていたシャアが、
ホワイトベースとガンダム相手には失敗を繰り返し、
最愛の女性まで失うような事態を招いていったのかを、
「過去の成功体験への固執と現状への適応失敗」という視座で切っていく。

シャアの場合、アムロのライバルという「兵士」(=プレーヤー)としても、
ブライトとの対比という「指揮官」(=マネジャー)としても、
どっちの面でも、それぞれのホワイトベース隊に劣っていたという
遠慮ない書きぶりが面白い(笑)。
逆にいうと、プレイヤーとマネジャーをしっかり分業し、感情的反目を
乗り越えながら、最終目的(=ビジネスの目的)まで進めたから
ホワイトベース隊は「生き延びること」ができたのかもな、と思う。

シャアは「学習」ができなかったことが敗因であると著者は言う。
というのも、p.131で、人は何事においても「学習期間」と、その実りを得る「実践期間」が
ある、と述べ、困難に直面したときには「実践期間が終わり、学習期間が来た」と
捉えることが重要ではないか、とまとめている。
これは、シンプルで説得力ある構造説明だ。

もちろん、学習と実践が同時に起こるようなことだって多いから、すべて
このように、割り切れるものではないけれど、
しかし実践面で「通じない」ことがあったときには、なぜ通じないかを検討することが
必要だというのは、ビジネスに限らず、スポーツでもほかの競争でも同じこと。
その結果、現状のアプローチでも量的な変更で対処できるレベルの問題なのか、
学びを得て再構築しないと通じないレベルの問題なのかを、適切に見抜くことが重要だ。

シャアは、ホワイトベースとガンダム、アムロとブライトという脅威に自分のやり方が
通じなかったときに、敗因分析を正しくできなかったこと、学びに繋げられなかったのだ。

ただ、本書が面白いのは、最後p.210のおわりに、の中で
「1年戦争で失敗ばかりのシャアは、Zガンダムのグリプス戦役では有能な
 プレイングマネジャーになり、1年戦争で活躍したアムロは過去に捕われ飛べなくなっていた」
ことを取り上げ、
人の適応する、学ぶ能力は、環境や考え方で柔軟に変わりうるものだと示していることだ。

昨今、企業の寿命、コア事業の寿命はどんどん短くなっているように感じられるが、
少なくとも事業や企業はなくなっても、人は社会の中で生きていかないといけない。
いかに学べるか、変われるか、が生き方を分けるポイントに思えた。


ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方 [単行本(ソフトカバー)]
鈴木 博毅 (著)
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